キジログ

かつかつノート

木の実マスター第1話「唯一の素材」より、幼馴染を追いかけて

人生の成功や失敗がスキルの実一つで決まるような世界なのにもかかわらず木の実マスターという実全般と親和性のありそうなスキルが外れ扱いされるのは、命にかかわりますし誰であっても一生に一つだけという強い先入観からくるのでしょうか。村長から押し付けられた少女アイラの木の実料理を食べたことで主人公はその(実・スキルについての)誤りに気付くのですが、そのアイラのスキルが(正しく知るための)鑑定であるというのは象徴的だと思います。木の実マスターを得ることから偶然が重なりつづけているため運命的なのでしょう。

このようにアイラの存在が大きいので幼馴染のレーナが気がかりになってきます。一緒に冒険者になろうとしていたし、剣聖スキル持ちだとわかっても一緒に農家になろうとするくらい好意をもっていたのですが、剣聖の使命を果たすようにと主人公と引き離されます。これは冒険者としてついてしまった差でもありますから、木の実を食べてパワーアップを続けるだろう主人公とレーナとの差は縮まっていくのでしょう。運命的重なりを強調しますから、冒険者としての差は縮まり、引き離された主人公と再会し、ふたたび好意的に・仲の良かった幼馴染のポジションへと収まっていくと思われます。注目したいのは主人公の能力がレーナを追い抜いてしまって逆方向に冒険者的な差が出始めた時(転換点)です。

 

一生に一つだけ食べられるスキルの実によって特別な能力を授かれる世界で冒険者を目指すライトは戦闘に向かない木の実マスターを得たことで木の実農家になる。一方、剣聖のスキルを授かった(一緒に冒険者になる約束をした)幼馴染レーナは冒険者になり差は開いていく。未だ諦めることなく剣の修業をするライトはあるとき誤って二つ目の実を食べてしまうも死ぬことはなくあらたに能力が追加されることを知るのだった。